磐台寺(読み)ばんだいじ

日本歴史地名大系 「磐台寺」の解説

磐台寺
ばんだいじ

[現在地名]沼隈町能登原

沼隈半島の東南端瀬戸内海に突出した阿伏兎あぶと岬の先端にあり、阿伏兎ノ瀬戸を挟んで島に対する。俗に阿伏兎観音とよばれ、本尊海中より出現の観音石像。海潮山と号し臨済宗妙心寺派。

寺伝によれば暦応年間(一三三八―四二)に覚叟建智が開基したが、その後衰退した。縁起には元亀―天正年間(一五七〇―九二)鞆の江とものえの浦(現福山市)に日頃熊野三山を敬う次郎右衛門という漁師がおり、阿伏兎沖で漁をしていたところ中に古銭の入った長さ二尺ほどの石の観音像を引上げ、阿伏兎の崖上に仮の屋根を作って安置した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「磐台寺」の解説

磐台寺

広島県福山市にある臨済宗の寺院。沼隈半島の南端、阿伏兎(あぶと)岬の突端に位置する。観音堂は室町時代後期に毛利輝元により建てられたとされ、国の重要文化財に指定されている。「阿伏兎観音」とも。

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