磐瀬の森(読み)いわせのもり

日本歴史地名大系 「磐瀬の森」の解説

磐瀬の森
いわせのもり

「万葉集」巻八に

<資料は省略されています>

などとみえ、その後も詠まれた歌枕。「枕草子」にも「森は 浮田の森。うへ木の森。岩瀬の森。たちぎきの森」とあり、「源氏物語」にも登場する。現三郷町大字立野たつの高山たかやま集落の大和川北岸に森があり、「磐瀬の杜」の石碑が立っているが、その所在は諸説があって定まらない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「磐瀬の森」の意味・わかりやすい解説

磐瀬ノ森
いわせのもり

奈良県北西部、生駒(いこま)郡斑鳩(いかるが)町、竜田(たつた)川東岸の竜田大橋南付近の古称といわれる。しかし異説も多く、同郡三郷(さんごう)町立野の大和(やまと)川北岸の森にも「磐瀬の杜(もり)」の石碑がある。鏡王女(かがみのおおきみ)の歌「神奈備(かんなび)の磐瀬の杜の呼子鳥(よぶこどり)いたくな鳴きそわが恋増さる」(『万葉集』巻8)などに詠まれ、古来ホトトギス、紅葉(もみじ)の名所とされた。

[菊地一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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