礒又右衛門(読み)いそ・またえもん

朝日日本歴史人物事典 「礒又右衛門」の解説

礒又右衛門

没年:文久3.7.15(1863.8.28)
生年天明6(1786)
江戸後期の柔術家。天神真楊流柔術の開祖。伊勢国(三重県)松坂生まれ。紀州(和歌山)藩士本名は岡本八郎治,のち幕臣礒家の家名を継いだ。15歳で京都に出て一柳織部に楊心流を学び,のちに真神道流を修行した。諸国修行中に近江草津で百余人の無頼漢争い,「柔術は戦場では組み打ちを,治世には当て身を心掛けるべき」ことを悟ったとされ,2流を合して手数124手を定め,天神真楊流を創始した。甲冑をつけず,当て身技で相手を制するところに工夫があったといえよう。その後江戸に出て,神田お玉ケ池に道場を開き,5000人もの弟子がいたという。<参考文献>桜庭武『柔道史攷』

(藤堂良明)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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