神居古(読み)かむいこたん

日本歴史地名大系 「神居古」の解説

神居古
かむいこたん

石狩川が幌内ほろない山地を穿入蛇行して貫流する一帯の最下流部をいう。石狩川河口から一三九―一四二キロの区間で、神居大かむいおお橋―神龍頭首工しんりゆうとうしゆこう間にあたる。最狭所の川幅は約二〇メートルで、川床および両岸は先白亜紀の神居古潭変成岩類からなる比較的開けた岩盤の間をうがって流れる急流部。このやや上流にはテ(簗)とよばれる大岩が川の中にあり、その両側は高さ約二メートルの滝になっている。下流の左岸には甌穴群(市指定天然記念物)がある。またこの急流部を流れ下った川は神居大橋下付近から下流に広く深い淵(パラモイ、水深一八メートル余)となっている。当所は古くから舟航の大難所で、アイヌはここでは荷物を背に左岸または右岸を歩いた。蝦夷地絵図(寛政一〇年頃、東京大学史料編纂所蔵)と仕末上申書(文化四年、同所蔵)にはカモイコタンの大難所を舟で下航中に丸木船が転覆して、御朱印まで水でぬらしたとある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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