北海道旭川市西部の景勝地。石狩川が上川盆地と石狩平野の間の山地を横切る峡谷で,約10kmにわたって古生層の変成岩を削り,激流が奇岩を刻み深淵をつくって奇勝をなしている。地名はアイヌ語に起源し,舟にとっては難所であったため,魔神が犠牲を要求するという観念から,カムイ(神)コタン(部落または在所)と呼ばれたもの。北岸を函館本線が通り,神居トンネルの開通(1969)によって,旧線路用地は旭川市内旭西橋と深川市神納橋の間約19kmのサイクリング道路となり,廃止された神居古潭駅の駅舎は保存されている。南岸には国道12号線が通じ,桜や紅葉の時期ににぎわう。蝕磨された変成岩は水石として珍重される。旧駅西方2kmの南岸の段丘上にある道指定史跡竪穴住居跡には200個以上の竪穴が保存されており,多くは擦文文化期の住居跡である。
執筆者:岡本 次郎
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北海道中央部、旭川市(あさひかわし)西部の地区。また同地区付近の旭川市と深川市との境界を流れる石狩川(いしかりがわ)の約10キロメートルにわたる峡谷をさし、景勝地となっている。峡谷は石狩川が上川(かみかわ)盆地と石狩平野との間の山地を横切るときに山地を刻んでできたもの。古生層の変成岩類が削られて奇岩深淵(しんえん)をなしている。アイヌ語地名の一つで、カムイ(神)コタン(集落または在所)は、魔神の住む所を意味し、航行の難所であった。右岸を函館本線(はこだてほんせん)が通るが、1969年(昭和44)神居トンネルが開通し、線路跡は19.3キロメートルのサイクリングロードとなった。線形改良のため神居古潭駅は廃止されたが、1989年(平成1)に復元され、サイクリングロードの休憩所として利用されている。左岸を国道12号が通り、旧駅舎付近に古くからの白い吊橋(つりばし)が架かり、この付近はとくに激流となっている。吊橋の南西1.5キロメートルに神居古潭遺跡(道の史跡)がある。遺跡には200個以上の竪穴(たてあな)があり、多くは擦文(さつもん)文化期の住居跡である。
[岡本次郎]
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