日本大百科全書(ニッポニカ) 「禁じられた遊び」の意味・わかりやすい解説
禁じられた遊び
きんじられたあそび
Jeux interdits
フランス映画。1952年作品。監督ルネ・クレマン。1940年、戦火から避難するなか、両親をドイツ機の機銃掃射で失った幼女ポレット(ブリジット・フォッセーBrigitte Fossey、1947― )は、愛犬の死体を抱いて彷徨(さまよ)ううち、少年ミシェルと出会い、彼の家にいつく。ミシェルはポレットに、死者を葬ることを教え、廃れた水車小屋に愛犬を埋葬した。しかし、これをかわいそうに感じたポレットは、周りにお墓をたくさんつくってやりたいと言い出し、ミシェルはその願いにこたえて、さまざまな動物の死体を探しては墓をつくっていった。遊びは十字架を盗むまでエスカレートしていく。第二次世界大戦で人々の受けた傷を、いたいけな子供の遊びに託して描き、ナルシソ・イエペスによるギターのテーマ音楽とともに、世界的な評判をよんだ作品。第25回アカデミー名誉賞(後の外国映画賞)、第13回ベネチア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞など受賞。
[出口丈人]