イエペス(読み)いえぺす(英語表記)Narciso Yepes

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イエペス」の意味・わかりやすい解説

イエペス
いえぺす
Narciso Yepes
(1927―1997)

スペインギター奏者。セゴビアの次の世代を代表する名手。1947年スペインの名指揮者アルヘンタに才能を買われ、楽界にデビュー。ギターの新しい演奏技術開拓のため、1950年から3年間、バイオリンエネスコピアノギーゼキングの門をたたき教えを受けた。これがのちに、彼が生涯愛用した10弦ギターの開発につながった。1952年ルネ・クレマンが監督したフランス映画『禁じられた遊び』の音楽を担当、世界的な名声を博す。1960年(昭和35)初来日。イエペス出現は、従来のギターの限界に挑戦し、表現力の拡大に努力する新しいタイプのギタリストの登場を促すことになった。

[岩井宏之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イエペス」の意味・わかりやすい解説

イエペス
Yepes, Narciso Garcia

[生]1927.11.14. ロルカ
[没]1997.5.3. ムルシア
スペインのクラシックギター奏者,作曲家。4歳でギターを始め,バレンシアの音楽院で学んだのち,1947年にマドリードスペイン国立管弦楽団と『アランフェス協奏曲』を演奏してデビューした。クラシックギターの大御所 A.セゴビアの後継者として期待され,52年,R.クレマン監督の映画『禁じられた遊び』で作曲,編曲,および演奏を担当し,イエペスの名を世界的なものにした。卓越した演奏技術で知られ,みずから考案した 10弦ギターを用いて多くの編曲も手がけた。 60年に初来日。

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