禁中并公家諸法度

山川 日本史小辞典 改訂新版 「禁中并公家諸法度」の解説

禁中并公家諸法度
きんちゅうならびにくげしょはっと

1615年(元和元)に制定された江戸幕府の法令。大御所徳川家康が,大坂夏の陣直後の7月17日,京都二条城で将軍徳川秀忠,前関白二条昭実(あきざね)と連署して武家伝奏に布達,昭実の関白還任後の7月30日禁中に公家衆を招集し,伝奏が読み聞かせて発効。17カ条からなり,第1条で13世紀の順徳天皇の著「禁秘抄(きんぴしょう)」を引用して天皇が修得すべき徳目を規定。以下親王の序列を大臣の下におき(2条),公家衆の官位昇進の基準を家々の旧例に定め(10条),関白・伝奏による公家衆支配を明文化した(11条)。天皇をも法規の対象とし,五摂家に関白職独占を保証し,関白・武家伝奏を朝廷運営の中枢に位置づけた画期的な法度で,江戸幕府の朝廷支配の基本法令として幕末まで機能した。原本は御所の殿舎に壁書としておかれたらしく,1661年(寛文元)の火災で焼失副本をもとに64年将軍徳川家綱,摂政二条光平連署で再制定された。ただし寛文の正本の伝存は不詳。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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