福林寺(読み)ふくりんじ

日本歴史地名大系 「福林寺」の解説

福林寺
ふくりんじ

[現在地名]姫路市豊富町御蔭

いち川の中流左岸、藪田やぶたにある。松湯山と号し、曹洞宗本尊は十一面観音。元亨元年(一三二一)創建開基は後藤左馬頭、開山は姫路景福けいふく寺一六世月閑良円と伝える。天和四年(一六八四)焼失、貞享三年(一六八六)再建。文化一四年(一八一七)再び焼失したが、翌一五年姫路藩主酒井氏をはじめ領中の寄進により再建された。明治五年(一八七二)当寺に藪田村・栗橋くりはし村・橋爪はしづめ村を校区とする啓沃けいよく小学校が開かれた(「神崎郡誌」など)


福林寺
ふくりんじ

[現在地名]守山市木浜町

大慈山と号し、天台宗。本尊は平安時代の木造十一面観音立像(国指定重要文化財)。当寺に伝わる観音菩薩縁起によると、本尊は比叡山から移されたものという。康和三年(一一〇一)一〇月五日の堀河天皇宣旨案(東寺文書)近江国福林寺とみえ、天武天皇の時代に石城村主宿禰が建立したとある。宣旨案にみえる福林寺が当寺をさすかどうかは不明で、現滋賀県野洲町小篠原こしのはらにもかつて同名の寺があったとされ、中世末まで寺観を維持していたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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