福田歓一(読み)ふくだかんいち

百科事典マイペディア 「福田歓一」の意味・わかりやすい解説

福田歓一【ふくだかんいち】

政治学者。兵庫県生れ。東京大学法学部卒業。南原繁に師事し,ヨーロッパ政治史を専攻。東京大学教授,明治学院大学教授,同大学学長を歴任。東京大学名誉教授。1976年から1978年まで日本政治学会理事長を務めた。近代社会における社会契約の重要性を指摘する一方,雑誌《世界》を中心にアジア諸国の同時代的な政治変動についての論考も残した。また,民主主義を尊重し憲法を擁護する立場から,1990年には天皇即位の礼に伴う大嘗祭(だいじょうさい)に反対する声明を出した。1992年に日本学士院会員となる。主著に《近代政治原理成立史序説》《現代政治と民主主義の原理》《近代民主主義とその展望》《政治学史》《ルソー》などがある。→社会契約説

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「福田歓一」の解説

福田歓一 ふくだ-かんいち

1923-2007 昭和後期-平成時代の政治学者。
大正12年7月14日生まれ。昭和36年母校東大の教授。59年明治学院大教授となり,平成2年学長。ホッブズ,ルソーらの分析をとおして近代政治思想の根本原理追究,積極的に民主主義の可能性を論じる。日本政治学会理事長をつとめた。平成19年1月7日死去。83歳。兵庫県出身。著作に「近代政治原理成立史序説」「現代政治と民主主義の原理」など。

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