禿筆(読み)トクヒツ

デジタル大辞泉 「禿筆」の意味・読み・例文・類語

とく‐ひつ【×禿筆】

穂先の擦り切れた筆。ちびた筆。また、自分文章筆力を謙遜していう語。

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精選版 日本国語大辞典 「禿筆」の意味・読み・例文・類語

とく‐ひつ【禿筆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 使いふるされて、穂先がすり切れた筆。ちびた筆。
    1. [初出の実例]「仰前疏而増戦栗。濡禿筆而悩虞松」(出典本朝文粋(1060頃)四・為入道前太政大臣辞職第三表〈大江匡衡〉)
    2. [その他の文献]〔杜甫‐題壁上韋偃画馬歌詩〕
  3. 転じて、自分の文章や文字を謙遜していう語。
    1. [初出の実例]「感荷之至、禿筆難彰。委細期参啓之次」(出典:釈氏往来(12C後)六月日)

ちび‐ふで【禿筆】

  1. 〘 名詞 〙 穂先のすり切れた筆。また、自分の文、筆跡をへりくだっていう。敗筆。とくひつ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「大江山退治の際一泊と禿筆(チビフデ)の跡」(出典:風流仏(1889)〈幸田露伴〉一)

かぶろ‐ふで【禿筆】

  1. 〘 名詞 〙 穂先のすりきれた筆。ちびふで。とくひつ。かむろふで。
    1. [初出の実例]「試るに命毛ながしかふろ筆〈桐陰〉」(出典:俳諧・功用群鑑(1681頃)地)

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普及版 字通 「禿筆」の読み・字形・画数・意味

【禿筆】とくひつ

穂先のすり切れた筆。唐・杜甫〔壁上偃の画ける馬に題する歌〕詩 戲れに禿筆を拈(と)つて(くわりう)を(はら)へば (たちま)ち見る、騏(きりん)の東壁に出づるを

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