稲田の御光(読み)いなだのごこう

改訂新版 世界大百科事典 「稲田の御光」の意味・わかりやすい解説

稲田の御光 (いなだのごこう)

草原またはたんぼなどで,朝,草の葉にたくさん露が結んでいる時,太陽を背にして立つと,自分の頭の影のまわりが明るく輝いて見えるが,この現象稲田御光と呼んでいる。これは露玉になっている小水滴に入った日光が,水滴と葉との接触面で強く反射して起こるものである。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 畠山

日本大百科全書(ニッポニカ) 「稲田の御光」の意味・わかりやすい解説

稲田の御光
いなだのごこう

早朝、草の葉に露がたくさんついている中へ、太陽を背にして立って自分の影を映したとき、頭の影の周りがぼうと白く明るく見える現象。稲の葉に限らず芝草やその他の草でも現れる。太陽の光が露に入り、葉の表面で反射して自分のほうに出てくるもので、暗い中で光るネコの目や、ヘッドライトが当たると光る道路標識と同じ仕組みである。16世紀にイタリアの画家セリニB. Celliniが初めて書き留めたので、「セリニの御光」ともよぶ。

[大田正次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「稲田の御光」の意味・わかりやすい解説

稲田の御光
いなだのごこう

太陽を背にして露のおりた地表面に影を映したとき,観察者の影のまわりに輝いてみえる白い光環。露による光の散乱反射によって起こる。霧や雲の上に飛行機や山の上から影を映したときにも観察される。観察者からみて太陽の反対側に現れる。(→グローリー

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「稲田の御光」の意味・わかりやすい解説

稲田の御光【いなだのごこう】

太陽を背にして露のある草原や水面を見るとき,観測者の影の周囲に見られる光輪。微小水滴による太陽光線の回折現象。船から水面に影を映したときにも,同様の御光が見られる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android