空見(読み)クウケン

デジタル大辞泉 「空見」の意味・読み・例文・類語

くう‐けん【空見】

仏語。空に執着した考え。一切が空であるという教えにとらわれた考え。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「空見」の意味・読み・例文・類語

そら‐み【空見】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 見るふりをすること。また、ぼんやり見ること。
    1. [初出の実例]「此に諸侯がくたびれてそらみをして王の軍がやぶれたぞ」(出典:玉塵抄(1563)二九)
  3. 植物とうがらし(唐辛子)」の異名
    1. [初出の実例]「とうがらしの名を〈略〉酸醤子(ほうづき)天覗(のぞ)き、空見、八(やつ)なりなどいへる」(出典:俳諧・本朝文選(1706)五・序類・番椒序〈野坡〉)

くう‐けん【空見】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。一切の事物縁起に基づくから、空(くう)であると説く、その教え自体にとらわれた見解。空執(くうしゅう)
    1. [初出の実例]「寧起我見須彌山、不空見芥子許」(出典:往生要集(984‐985)大文一〇)
    2. [その他の文献]〔楞伽経‐三〕

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