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立体印刷 りったいいんさつstereoscopic printing

4件 の用語解説(立体印刷の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

立体印刷
りったいいんさつ
stereoscopic printing

立体感の出るようにする印刷技法。アナグリフ法とレンチキュラーレンズ法の2種に大別される。前者は,左右2眼のカメラで同一物体を撮影し,そのおのおのを青と赤で印刷するもので,左右の眼に赤と青のフィルタをかけて見ると,視差により立体のように見える。後者は,かまぼこ状のシリンドリカルレンズを使用する方法で,各ピッチの中に万線状に左右の像を正確に印刷しておくと,左右の眼の方向差によって立体感が得られる。実際に多眼式レンズを使ったり,移動式テーブルを使ったりして撮影し,多像の写真から万線状のピッチに合せた合成写真をつくって製版印刷するもので,極度に精度が要求される。バリエーションとしてはサークル,アニメーション,チェンジ,レインボー,レリーフなどがある。 1990年代に入って 3Dステレオグラムといった器具を用いないで目の焦点の差を利用した印刷物も出てきている。この作成もコンピュータのプログラミングによって行われている。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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百科事典マイペディアの解説

立体印刷【りったいいんさつ】

平面上の画像が立体的に見えるようにした印刷。視差のある2枚の画像(ステレオスコープ)を,一平面上に0.5mm前後のピッチで交互に印刷し,厚さ1mm前後,ピッチ0.5mm前後のかまぼこ形の凸レンズが並んでいるプラスチック製のレンチキュラースクリーンlenticular screenを通して見る。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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世界大百科事典 第2版の解説

りったいいんさつ【立体印刷 stereoscopic print】

平面の画像でありながら遠近感があって立体的に見える印刷。平らな面の写真あるいは印刷の像を立体的に見せるには,左右離れた場所から撮った写真を並べて立体視鏡で見る方法や,左右色の違うフィルター眼鏡を通して色付画像を見る方法などがあるが,天然色で立体視するにはレンチキュラースクリーンlenticular screenを使用する。これは一つ一つの単位がかまぼこ形をしている微細なレンズの集合で,これをあらかじめ左右の目から見た2種類の像が多数の線で印刷されているものの上にはりつけ,おのおののレンズの作用で2種類の画像を普通の視覚距離で結合させて見て,もとの物体を両眼で見たのに近い効果を出す。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

立体印刷
りったいいんさつ
stereoscopic print

平面上の画像を立体的に見えるようにした印刷方法や印刷物。人間は右目と左目を使って物体を見ることにより立体感を得ることが知られているが、その原理を利用している。カラー写真の発達と精密な写真製版技術、プラスチック製の特殊レンズの製造が従来より精度よく安価にできるようになったことにより大量生産が可能になった。
 立体印刷の技術としては、ホログラフィーholography、アナグリフanaglyph、レンチキュラーlenticularなどがある。
 ホログラフィー方式では、光が波である特性を利用し、レーザーを使って物体から反射した光波を干渉縞(じま)の形で記録する。波面の情報を観察すると立体的に見える。この技術を応用したホログラム印刷は、クレジットカード、紙幣や金券・チケット類、ID証類、ブランド・タグなどの偽造防止用途のほか、雑誌や映画カタログなど幅広く利用されている。
 アナグリフ方式では、右目用と左目用に別々のカメラで撮影した物体の画像を赤、青の2色で印刷する。左右の目にそれぞれ赤、青のフィルターをかける(専用の「赤青メガネ」を用いる)と、印刷物は立体的に見える。写真集・ポスター・雑誌、新聞などに使われた例がある。
 レンチキュラー方式では、細かな多数のかまぼこ型の凸レンズが何列にも並んだレンズシートの裏側に、複数の写真等を合成させた画像を貼り合わせる(または印刷する)。たとえば、三方向から撮影した画像(右から撮った画像A、中央から撮った画像B、左から撮った画像C)を細長く短冊状に分割し、分割された画像A、B、Cの一つ一つを交互に並べる(A1・B1・C1、A2・B2・C2、…)。そして分割画像(たとえばA1・B1・C1)と一つの凸レンズが合致するように貼り合わせる(またはシートの裏面に印刷する)。これを見ると、右の目と左の目の結ぶ角度によって印刷物は立体的に見える。レンチキュラー方式では、このような3D効果のほか、アニメーション効果(少しずつ異なる画像を多数枚組み合わせることによって画像が動いて見える)や、チェンジング効果(まったく異なる複数の画像を組み合わせることによって画像が変化して見える)なども出すことができる。3Dとチェンジングなど複数の効果を組み合わせることも可能となっている。目を引く印刷物としてカードやディスプレーなどによく使われる。その他、無数の微細な丸型のレンズシートとモアレの原理を利用して、パターン模様が浮き沈みして(立体的に)見えるようにした技術もある。[中村 幹]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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