立寄る(読み)タチヨル

デジタル大辞泉 「立寄る」の意味・読み・例文・類語

たち‐よ・る【立(ち)寄る】

[動ラ五(四)]
近くに行く。近寄る。「窓辺に―・る」
目的地へ行く途中、ついでに訪れる。「帰りがけに書店に―・る」
波が起こって寄せてくる。
「年を経て波―・らぬ住江のまつかひなしと聞くはまことか」〈竹取
頼って身を寄せる。
「わび人のわきて―・る木のもとは頼むかげなく紅葉散りけり」〈古今・秋下〉
[類語]寄る訪ねる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「立寄る」の意味・読み・例文・類語

たち‐よ・る【立寄】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 波が起こって岸などに近づく。
    1. [初出の実例]「年をへて波立よらぬ住の江の松かひなしときくはまことか」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  3. ( 「たち」は接頭語 ) 近くに来る。側に寄る。近寄る。
    1. [初出の実例]「大前小前宿禰が 金門蔭(かなとかげ) かく多智予羅(タチヨラ)ね 雨立ち止めむ」(出典日本書紀(720)安康即位前・歌謡)
    2. 「門をひらかれず共、此きはまで立よらせ給へ」(出典:平家物語(13C前)七)
  4. ( 「たち」は接頭語 ) 目的地への途中で、目的以外のところをおとずれる。道すがらおとずれる。
    1. [初出の実例]「深き草を分け入り給て、屋のもとにたちより給へれど」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
    2. 「たちよれば衣手涼しみたらしや影みる岸の春の川波」(出典:金槐和歌集(1213)雑)
  5. ( 「たち」は接頭語 ) 身を寄せてたよる。心を寄せて世話になる。
    1. [初出の実例]「わび人のわきてたちよるこのもとはたのむかげなくもみぢちりけり〈遍昭〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋下・二九二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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