竹房古墳群（読み）たけふさこふんぐん

日本歴史地名大系

竹房古墳群
たけふさこふんぐん

• 和歌山県：那賀郡
• 打田町
• 竹房村
• 竹房古墳群

[現在地名]打田町竹房 最初

竹房集落の南部、紀ノ川南岸の竜門（りゆうもん）山系の一支脈が北に派出する丘陵鞍部、標高四〇メートルに位置する。現在三基が確認されているが、すべて開墾や開発によって消滅。そのうち二基は古墳の規模・形態・埋葬施設などまったく不明のまま破壊。他の一基は近年まで墳丘・石室とも残存していた。

発掘調査は二回行われており、それらの結果、墳丘は径二〇メートル、高さ五メートルの円墳で、埋葬施設は両袖式の横穴式石室で全長五メートル、羨道が西に開口。結晶片岩の割石を用い、小口または平積みにして石室を構築するが、天井部にかけては持送って積まれる。奥壁には床面より一・三メートルの高さに石棚が設けられ、石室床面には排水溝が玄室から羨道、さらに外部にまで全長九メートルに及び設けられる。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」