管理薬剤師(読み)かんりやくざいし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「管理薬剤師」の意味・わかりやすい解説

管理薬剤師
かんりやくざいし

医薬品医療機器等法に基づき、保険薬局や医薬品を取り扱う一般販売業の店舗、医薬品製造業の拠点ごとに1人配置することが義務づけられている薬剤の管理責任者となる薬剤師。ほかに卸売業や製薬会社など医薬品の製造や販売にかかわる業種や、病院など医薬品を扱う施設にも配置が義務づけられている。薬剤を安全に取り扱うために、その他の薬剤師や従業員を指導監督し、医薬品等の管理を行うと同時に、副作用情報の収集厚生労働省への報告の責務を負っている。複数の薬局で兼務することは医薬品医療機器等法で禁じられている。

 保険薬局においては、処方箋(せん)に沿った薬剤の適切な調剤を行い、患者へ必要な情報を提供する。ドラッグストアなどの一般販売業の店舗においては、その他の薬剤師や従業員が、指定医薬品の販売や毒薬・劇薬の取扱いなど、業務を適切に行っているかどうかを監督し、専門的な知識を提供するとともに、医薬品の購入にもかかわり、店舗内の医薬品などの品質についても適正に管理する。また、薬局や店舗の構造設備、取り扱う器具についても医薬品の保管や販売に適切かどうかを判断しながら管理する。さらに、購入者が医薬品を適正に使用するための服薬指導情報提供を適切に行うとともに、薬剤の副作用に対する相談に対応したアフターケアなども行い、副作用情報を収集し厚労省へ報告する。

 なお、医薬品製造業においては、製造工場から出荷するまでの品質管理業務などを担当している。

[編集部 2016年5月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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