一定の処方に従って、2種以上の薬品を配合し、または1種の薬品を用いて特定人の特定の疾病に対する薬剤を調製する行為をいう。すなわち、医師、歯科医師の処方により薬剤を調製する行為を調剤といい、薬剤師の大きな職能の一つであるが、医薬分業が確立していないわが国では、医師自らの調剤も認められている。調剤は、単に処方箋(せん)に記載された薬名、分量を秤量(ひょうりょう)、混合、分包、あるいは錠剤、カプセル剤の場合では計数するのみでなく、処方箋をチェックし、記載事項を確認し、調製し、鑑査し、患者に交付するまでをいう。薬袋の記載、分包、計数など一連の操作のうち、本質的なものと非本質的なものが問題となっており、薬剤師自身の行為の範囲、患者への服薬指導など、注射薬の調剤を含めて調剤の定義そのものも、時代の進歩とともに大きく変わろうとしている。
[幸保文治]
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