最新 地学事典 「箱根カルデラ」の解説
はこねカルデラ
箱根カルデラ
Hakone caldera
箱根火山の上半部にある南北11km×東西9kmのカルデラ。新旧二重のカルデラで,古期成層火山の頂部にできた第1期カルデラの西半部に第2期カルデラが重なる。中央には7個の中央火口丘群(北から小塚山・台ガ岳・神山・1,325m峰・駒ガ岳・二子山)が北西~南東に並び,カルデラ西壁との間に神山のせき止めで生じた芦ノ湖(湖面標高725m, 最深40.6m, 面積6.9km2)がある。カルデラ壁は東部が破れ,早川・巣雲川により排水。第2期カルデラは火砕流(軽石流)噴火に伴う(クラカタウ型)陥没カルデラ(約5万年前生成)とみられているが,第1期カルデラの成因には多くの議論があった。東方の大磯丘陵などに多量に分布する軽石流堆積物や試錐結果等から,クラカタウ型陥没カルデラとみるのが一般的。カルデラ壁は後の侵食で著しく後退している。カルデラ内には多数の温泉があり,試錐によりカルデラ内の比較的浅い位置に基盤の湯ガ島層が見いだされている。カルデラ内のマグマ噴火は約3,200年前を最後としているが,地震活動は続いており,ときどき群発地震がある。震源は神山付近の地下6km以浅に集中,温泉帯水層の位置と密接な関係にある。
執筆者:大木 靖衛・平田 由紀子・竹下 欣宏
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

