粟餅(読み)アワモチ

関連語 服部

改訂新版 世界大百科事典 「粟餅」の意味・わかりやすい解説

粟餅 (あわもち)

歌舞伎舞踊。常磐津。本名題花競俄曲突(はなのほかにわかのきよくづき)》。1845年(弘化2)正月江戸中村座初演。4世中村歌右衛門,2世市川九蔵(後の6世団蔵)ほか。作詞3世桜田治助。作曲5世岸沢式佐。振付藤間大助(後の2世藤間勘十郎)。江戸の街に臼を引いてきて,曲づきをして見せながら粟餅を売り歩いた風俗を舞踊化した作品。初演のときは,正月の上演にふさわしく,鳥追や福寿草売も出したらしい。
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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「粟餅」の解説

粟餅
(通称)
あわもち

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
花競俄曲突 など
初演
弘化2.1(江戸・中村座)

粟餅
あわもち

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
明治40.3(東京演伎座)

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世界大百科事典(旧版)内の粟餅の言及

【アワ(粟)】より

…うるちアワは精白して米に混ぜて炊く。もちアワは単独あるいはもち米と混ぜて蒸してつき粟餅とする。粟まんじゅう,粟おこし,あめ(飴)などの菓子類にも使う。…

【茶店】より

…街道筋の立場(たてば)茶屋や峠の茶店は旅行者の休憩施設として必須のもので,東海道草津宿の〈姥(うば)が餅〉や宇津谷(うつのや)峠の〈十団子(とおだんご)〉など,餅やだんごを名物とするところが多かった。京都の茶店は《雍州府志》(1682)によると,祇園社内の2軒の店と北野社門前の店に始まるとされ,〈二軒茶屋〉の名で知られた前者の〈祇園豆腐〉と後者の粟餅は,江戸初期すでに著名なものであった。江戸では明暦の大火(1657)後,浅草待乳(まつち)山聖天宮門前の茶店が奈良茶(茶飯)を売り出して評判となり,宝暦年間(1751‐64)には隅田川右岸の真崎(まつさき)稲荷社内の茶店が田楽を売物にして客を集めた。…

※「粟餅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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