精神一到何事か成らざらん(読み)セイシンイットウナニゴトカナラザラン

デジタル大辞泉 の解説

精神せいしん一到いっとう何事なにごとらざらん

《「朱子語類」学二から》精神を集中して事に当たれば、どんなむずかしいことでも成し遂げられないことはない。

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精選版 日本国語大辞典 の解説

せいしん【精神】 一到(いっとう)何事(なにごと)か成(な)らざらん

  1. ( 「朱子語類‐学二」の「陽気発処、金石亦透、精神一到、何事成」による ) 精神を集中して物事に当たれば、どんなむずかしい事柄でも、できないことはない。
    1. [初出の実例]「薫りかへりし半切の軸には、精神一到何事不成(セイシンイッタウナニゴトカナラザラン)といふ八字を大書し」(出典当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉三)

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故事成語を知る辞典 の解説

精神一到、何事か成らざらん

心を集中して何かに取り組むことの大切さを述べたことば。

[使用例] 高橋プランに、熊楠は大きな眼をかがやかせた。「いっちょ、やってみるか高橋くん!」「精神一到なにごとかならざらんじゃ」[神坂次郎*縛られた巨人|1987]

[由来] 「朱子語類―学二」の一節から。「陽気発する処、金石もた透る(力強い陽の気が生じると、固い金属や石でも突き破ってしまう)」と述べたあと、それと同じように、人間だって「精神一到、何事か成らざらん(精神を集中すれば、どんなことでもできないことはない)」と言い切っています。

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ことわざを知る辞典 の解説

精神一到何事か成らざらん

精神を集中して事に当たれば、どんなことでもできないことはない。

[使用例] がんばりますからなあ、五十代六十代は。昔ながらの「滅私奉公」という気が退かんので、「精神一到何事か成らざらん」と自分に鞭うってがんばってしまう[田辺聖子*女のとおせんぼ|1987]

[解説] 「朱子語類―学二」にあることば。「一到」は行ける所まで行く、出しつくす意。

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