朱子学の大成者朱熹(しゆき)が門人たちと交わした座談の記録集。1270年,黎靖徳(れいせいとく)が記録者別のノート(語録という)を項目別に再編成したもの。全140巻。〈語類〉とは類別された語録のことで,〈理気〉〈鬼神〉〈性理〉〈学〉といった30に及ぶ項目の配列は,そのまま朱子学の俯瞰(ふかん)図になっている。語録というスタイルは遠く《論語》にまでさかのぼることができるが,これを愛用したのは唐代の禅者たちであった。宋代に入ると,儒者もその影響を受け,《張子語録》《二程遺書》といった数多くの語録が生み出されたが,質量ともに群を抜くのがこの《朱子語類》である。朱熹はぼう大な著述を残したが,自己や学問や社会について生き生きと飾り気なく当時の俗語(話し言葉)で語った本書は,その中でも異彩を放っている。朱子学研究はいうに及ばず,宋代史研究や近世の俗語研究にとっても,第一級の資料的価値がある。
執筆者:三浦 国雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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