紅雪(読み)コウセツ

精選版 日本国語大辞典 「紅雪」の意味・読み・例文・類語

こう‐せつ【紅雪】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 寒帯地方や高山の恒雪帯で、赤色の下等な藻類が繁殖したために、紅色または朱色に見える雪。赤雪(あかゆき・せきせつ)
  3. ほとばしり出る血潮のたとえ。
    1. [初出の実例]「帰来河水笑洗刀、血迸奔湍紅雪」(出典:山陽詩鈔(1833)四・下筑後河過菊池正観公戦処感而有作)
  4. 桃などの赤い花びらが散るさまのたとえ。絳雪
    1. [初出の実例]「仙家無是土宜貢。紅雪地為白雪天」(出典:本朝無題詩(1162‐64頃)五・冬日即事〈藤原忠通〉)
    2. [その他の文献]〔白居易‐同諸客攜酒早看桜桃花詩〕
  5. 薬品の名。かぜの熱、食べすぎ、内臓諸器官の機能低下による諸疾患などにきくという。
    1. [初出の実例]「丑刻服紅雪三両紫雪三両、而微微也」(出典:九暦‐九暦抄・天暦三年(949)六月一七日)
    2. [その他の文献]〔劉禹錫‐謝敕書賜臘日口脂等表〕

べに‐ゆき【紅雪】

  1. 〘 名詞 〙 春先などに時々降る紅く色づいた雪。大陸方面の黄砂が中にまじって色づいてみえるもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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