組屋(読み)くみや

精選版 日本国語大辞典 「組屋」の意味・読み・例文・類語

くみ‐や【組屋】

  1. 組屋〈百人女郎品定〉
    組屋〈百人女郎品定〉
  2. 〘 名詞 〙 組み紐を作り、それを売る家。また、その職人組糸屋。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「金物の細工人、組屋の女など」(出典:浮世草子・世間手代気質(1730)四)

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改訂新版 世界大百科事典 「組屋」の意味・わかりやすい解説

組屋 (くみや)

近世初頭,文禄・慶長期(1592-1615)に活躍した初期豪商の一人。須屋ともいう。まだ家臣団の土着性,独立性が強く,兵農分離が未熟な羽後諸藩と畿内先進地帯を結ぶ中継都市の敦賀小浜にあって,北国海運の担い手として活動した。戦国期前の事歴は不明であるが,諸浦の舟持座商人の系譜をもつ豪商と異なり,中世以来朱印船貿易家の系譜をもつ小浜の廻船業者である。後進諸藩の権力強化を援助すべく未発達な商品流通に対応し,当時700~800石積みの舟3~10艘をもっていた豪商の保護育成を図った豊臣氏の支持を受けて,組屋は秀吉蔵入地,津軽など諸藩蔵米の運搬・貨幣化に当たった。朝鮮出兵時(文禄・慶長の役)には兵粮米運送などの軍役や奉行もつとめた。

 だが徳川幕藩制が整備進展するとともに豪商組屋の解体が始まり,寛永期(1624-44)に京極氏小浜藩の代官に転身した。酒井氏小浜藩時代になっても公用銭徴収権・諸公事免除の特権は安堵され,明治維新を迎えた。
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