給分(読み)キュウブン

精選版 日本国語大辞典 「給分」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐ぶんキフ‥【給分】

  1. 〘 名詞 〙 一定の奉仕義務に対応して給与される土地、米銭。給与。
  2. 中世において、武家の主人が従者に与える給分、荘園領主が荘官に与える給分、本所が手工業者に与える給分など。
    1. [初出の実例]「京中数箇所有空地之由、聞食及之間、於関東御家人給分者、以使者巡撿、今年中可屋舎之由」(出典吾妻鏡‐嘉禎元年(1235)五月一三日)
    2. 「罪科の者を免じて私領を給分に充て奉公さする様にぞ」(出典:史記抄(1477)一七)
  3. 江戸時代、下級役人中間、小者、また、一般の奉公人に与える給料。
    1. [初出の実例]「大ぶんのちぎゃうまたはそれぞれのきうぶんとるほうこう人さへ」(出典:評判記・難野郎古たたみ(1666頃)序)
  4. を受ける身分の者。
    1. [初出の実例]「法職へあがり、御中間、御小人、或は新衆なんどの給分(キフブン)になる」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品五三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android