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統合型リゾート整備推進法案 とうごうがたりぞーとせいびすいしんほうあん

知恵蔵の解説

統合型リゾート整備推進法案

カジノを中心とした複合観光施設の整備を促す法律案。IR法案、カジノ法案などともいう。IRは Integrated Resort(統合型リゾート)の略。安倍晋三・麻生太郎らが最高顧問を務めていた超党派の「国際観光産業振興議員連盟(通称カジノ議連)」が、2013年に国会に提出した。20年の東京オリンピックまでの開業を目指して成立を急いでいたが、報道数社の世論調査では国民の6~7割が反対で、与党(自民党・公明党)内にも慎重論が強いことから、現在は継続審議の扱いになっている(14年11月末時点)。なお、カジノ合法化は欧米を中心に世界120以上の国・地域で実現している。アジアでは、カジノ収益世界一のマカオや17の施設がある韓国などに加え、10年にシンガポールも合法化している。
現在、日本では刑法でカジノを「賭博」として処罰の対象にしている。しかし本法が成立すると、国が認定した区域に限り一定の要件を満たせば設置可能となる。施設の設置・運営は民間事業者が行うが、環境整備・所轄事務は内閣総理大臣が本部長の「特定複合観光施設区域整備推進本部」が担い、管理・監督は内閣府の外局「カジノ管理委員会」が担う。具体的な設置数や規模は示されていないが、「カジノ議連」は東京オリンピックまでに全国2、3カ所の開業を目指している。誘致に関心を示しているのは、横浜市、大阪市、沖縄県など全国約20の自治体。
安倍内閣はアベノミクスの成長戦略の目玉として位置付けており、法案の第一条にも、目的として「観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資する」と掲げている。経済波及効果は最大7兆7千億と試算されているが、ギャンブル依存症の拡大、多重債務者の増加、マネーロンダリングの温床、青少年への悪影響、地域の治安悪化といった問題が指摘されている。

(大迫秀樹 フリー編集者/2014年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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