カジノ(読み)かじの(その他表記)casino

翻訳|casino

デジタル大辞泉 「カジノ」の意味・読み・例文・類語

カジノ(〈フランス〉casino)

各種の遊戯施設を備えた、賭博を主とした娯楽場。賭博場。
[補説]小さな家、娯楽場の意のイタリア語casinoがフランス語に入ったもの。

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共同通信ニュース用語解説 「カジノ」の解説

カジノ

スロットマシンルーレットを備えた賭博場。約130カ国で公認されており、米ラスベガス、マカオなどが有名。日本では競馬や競輪といった公営競技を除き賭博が禁じられているため、設置には法整備が必要だ。将来の解禁を見据え、北海道、横浜市、大阪府、長崎県などで誘致の動きがある。自民党と維新の党、次世代の党は4月、合法化を目指し「統合型リゾート施設整備推進法案」を衆院に提出した。ただ、公明党が審議入りに難色を示し、成立は見通せていない。

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精選版 日本国語大辞典 「カジノ」の意味・読み・例文・類語

カジノ

  1. ( [フランス語] casino 元来はイタリア語で「小さな家、クラブ」の意 )
  2. [ 1 ] [ 異表記 ] カシノ 各種の娯楽施設を持った、西洋流の賭博(とばく)場。
    1. [初出の実例]「飲酒と賭博との行はるるカシノも開かれてゐる」(出典:ロシアに入る(1924)〈荒畑寒村〉赤都モスクワ)
  3. [ 2 ]カジノ‐フォーリー」の略。また、これと同じような軽演劇の興行場。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カジノ」の意味・わかりやすい解説

カジノ
かじの
casino

バカラ、ブラックジャック、ルーレット、スロットマシンなど、室内における(一定ルールの)ギャンブリング(賭博(とばく))を提供する場所をさす。もともとはイタリア語で小さな家を意味する「カサcasa」から派生したことばで、欧米では「ジ」と濁らず「カシノ」と発音することが多い。日本でもIR推進法(2016)やIR実施法(2021)の施行により、2030年ころには大阪を手始めにカジノ事業がスタートするものと思われる。

 18世紀から19世紀にかけて、イタリア、ドイツ、フランスなどヨーロッパの国々、とくにその観光地・保養地において、社交的な目的も含めてカジノが設置されていたが、20世紀を迎える前に(一部の国を除き)その多くが禁止された。現在はふたたび合法化した国が多いが、ヨーロッパのカジノの多くは小規模なものである。

 アメリカでは1931年にネバダ州、1976年にニュージャージー州でカジノが合法化され、その後1980年代後半から多くの州で合法化が進んだ。その背景として、ネイティブ・アメリカンの経済的自立と発展などを目的に1988年に連邦法として成立した「アメリカインディアン・ゲーミング規制法(IGRA:Indian Gaming Regulatory Act)」により、ネイティブ・アメリカンの自治区で比較的容易にカジノをスタートできたこと、またコントロールしやすい船上カジノなどを合法化した州がいくつかあったことなどがある。

 カジノといえばバカラやルーレットなどのカジノディーラーがつくテーブル・ゲームを思い浮かべることが多いが、実はスロットマシンを中心とするマシン・ゲーム類のほうが売上げ、収益ともに過半を占める。テーブル・ゲームとマシン・ゲームのほかには、当りの数字を予想して賭(か)けるキノ・ビンゴ部門、スポーツ競技の勝ち負けに賭けるスポーツ・ブッキング(&レース)部門、トランプを使ったポーカー部門などがある。スポーツ・ブッキングとポーカーは成長を続けている部門である。

 アジア圏でもカジノを合法化する国は増えつつある。とくにマカオ(中国領)での収益は、ネバダ州ラス・ベガスのカジノ全体の売上げの数倍に達しているほどである。ほかにシンガポールフィリピンカンボジアベトナム、インドなどで売上げを伸ばしている。アジア人にはギャンブル好きが多いとされ、統合型リゾート(IR)とは名ばかりの、ギャンブルが中心のホテル・カジノが多くを占めている。逆にIRの本家であるラス・ベガスは、カジノ以外のエンターテインメントへの多角化が進み、カジノからの収益は全体の35%程度にとどまっている。アメリカのカジノは巨大な施設(コンプレックス)が多い。

 また、ネット空間を利用した「オンライン・カジノ」というものもある。その名のとおり、世界にはオンラインでいろいろなギャンブルをすることのできるサイトが数多く存在する。ヨーロッパでは合法化されたケースが少なく、アメリカではスポーツの賭けを中心に合法化する州が圧倒的多数になりつつあるが、日本では刑法上の違法行為にあたる。

[谷岡一郎 2025年1月21日]

『谷岡一郎・菊池光造編著『カジノ導入をめぐる諸問題〈1〉――アメリカにおけるカジノ合法化の社会的影響〈事例研究〉を中心として』(2003・大阪商業大学アミューズメント産業研究所)』『谷岡辰郎著『IR〈統合型リゾート〉がわかる厳選キーワード500』(2020・自由国民社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カジノ」の意味・わかりやすい解説

カジノ
casino

賭け事を主とする遊興施設。元来はイタリア語で小さな家,クラブの意。音楽,ダンスの集会所に起源をもち,19世紀後半からゲーム,賭博の場となった。1863年に開業したモナコモンテカルロにあるカジノが古典的な例として最もよく知られる。賭博による弊害からカジノは一時各国で規制されたが,20世紀後半ヨーロッパの多くの国で合法化され,イギリスではロンドンを中心に 1960年営業が開始された。フランスでは 1933年に合法化され,カンヌニースドービルなどのカジノが有名。ポルトガルエストリルギリシアケルキラ,ドイツのバーデンバーデンバートホンブルクフォルデアヘーエのカジノも知られる。アメリカ合衆国では,ネバダ州で 1931年に営業が許可された。ラスベガスの経済はカジノに依存し,ネバダ州の税収の 4割を賭博によるものが占める。1970年代以降,指定居留地リバーボート(カジノ船)などの条件のもとで他州にもカジノは拡大した。アジアでは中国のマカオ特別行政区のカジノが有名である。今日,世界で約 3000のカジノが合法的に営業する。2016年現在,日本では禁止されている。今日のカジノでは,一般的に,客はバンカーやハウスと呼ばれる胴元を相手に金銭を賭ける。勝率は数学的に精緻に計算されており,1日単位でもカジノ側が損失を出すことはまれ。代表的なゲームはバカラクラップスブラックジャックルーレットスロットマシンポーカーなどで,東アジアでは大小やファンタン,牌九(パイゴウ)なども行なわれる。また,1995年にオンラインカジノが初めて開業した。21世紀初頭において,約 200のオンラインカジノが営業し,年間賭けられる額は 250億ドルにのぼったとされる。オンラインカジノの多くがタックス・ヘイブンに本拠を置き,規制当局による管理の欠如が非難されている。

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改訂新版 世界大百科事典 「カジノ」の意味・わかりやすい解説

カジノ
casino[イタリア]

語源はラテン語のcasa(郊外の小邸宅)。イタリア語で部屋または舞踏室を指す言葉として使われ,後に集会所,娯楽場や,軍隊用語で将校集会所を示す語となり,そこで賭博が興じられたことから今日では賭博場をいう。カジノの原型は,イギリスで1526年から2世紀半続いた,バッキンガム宮殿内の王室と貴族のための賭博室である。フランスでも16世紀末にアンリ4世により宮廷内に賭博室がつくられた。近世になって,賭博禁止令があったにもかかわらず,イギリスで1764年に貴族と紳士の賭博享楽を目的とした会員制社交場がつくられた。ここからしだいに社交クラブの形式で公然と賭博が行われるようになった。19世紀にはドイツのバーデン・バーデン,フランスのカンヌ,アメリカのサラトガなどに著名な賭博場がつくられた。現在では,観光や外貨獲得の目的で開設を公認している国や地方自治体も多く,モナコのモンテ・カルロ(1861創立),アメリカのネバダ州ラス・ベガス(1931創立)などが大規模で世界的に有名である。カジノにはルーレット,カード賭博,さいころ賭博の設備が備えられ,賭博機械が設置されている。客同士が賭ける場合もあるが,経営者側が賭博を主催するのが普通である。遠方での競馬の馬券やドッグレース券を買えるカジノもある。なお,カジノで行われるカード遊びの意味から転じて,〈カジノ〉という名称のイタリア起源のカードゲームがある。
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百科事典マイペディア 「カジノ」の意味・わかりやすい解説

カジノ

海浜,温泉地,都会の盛り場に設けられた社交場。音楽,ダンスなどの娯楽設備があり,ルーレットを中心とする賭博(とばく)が行われる。18―19世紀にヨーロッパで盛んであったが,その後各国で禁止。現在モンテ・カルロ,ラス・ベガス,リノ,マカオにあるものが有名。
→関連項目賭博モナコ(国)モンテ・カルロ

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デジタル大辞泉プラス 「カジノ」の解説

カジノ

1995年製作のアメリカ映画。原題《Casino》。監督:マーティン・スコセッシ、出演:ロバート・デ・ニーロ、シャロン・ストーン、ジョー・ペシ、ジェームズ・ウッズほか。

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