絶える(読み)タエル

デジタル大辞泉 「絶える」の意味・読み・例文・類語

た・える【絶える】

[動ア下一][文]た・ゆ[ヤ下二]
続いていたものが途中で切れて続かなくなる。とぎれる。「人通りが―・える」「仕送りが―・える」
切れたあと完全になくなってしまう。なくなる。尽きる。「血筋が―・える」「けんかが―・えない」
呼吸が止まる。死ぬ。「命が―・える」
[類語]やむとだえるとぎれる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「絶える」の意味・読み・例文・類語

た・える【絶】

  1. 〘 自動詞 ア行下一(ヤ下一) 〙
    [ 文語形 ]た・ゆ 〘 自動詞 ヤ行下二段活用 〙 ( 続いているものが途中で切れるのが原義 )
  2. 一続きのものが途中で切れる。続いていたものが切れて続かなくなる。とぎれる。
    1. [初出の実例]「貴人(うまひと)の 立つる言立(ことだて) うさゆづる 多曳(タエ)ば継がむに 並べてもがも」(出典:日本書紀(720)仁徳二二年正月・歌謡)
    2. 「綱たゆるすなはちに〈略〉落ち給へり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  3. さらに続くべきものの先がなくなる。尽きる。途中で消える。滅びる。
    1. [初出の実例]「万代に年は来経(きふ)とも梅の花多由流(タユル)ことなく咲き渡るべし」(出典:万葉集(8C後)五・八三〇)
    2. 「山の端の心も知らで行く月はうはの空にてかげやたえなん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
  4. 命がなくなる。息がとまる。死ぬ。また、気絶して正体がなくなる。→絶え入る
    1. [初出の実例]「琴の音になみだを添へて流すかなたえなましかばと思ふ哀に」(出典:山家集(12C後)中)
  5. 人との関係が切れる。縁が切れる。交わりがとぎれる。
    1. [初出の実例]「横雲の空ゆ延(ひ)き越し遠みこそ目言(めこと)(か)るらめ絶(たゆ)と隔てや」(出典:万葉集(8C後)一一・二六四七)
    2. 「昔、はかなくてたえにけるなか、猶や忘れざりけん、女のもとより」(出典:伊勢物語(10C前)二二)
  6. 世間との行き来がなくなる。人里を離れる。
    1. [初出の実例]「かの、たえたる峯に、うつろひ給ひにし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)

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