維摩経義疏(読み)ゆいまぎょうぎしょ

精選版 日本国語大辞典 「維摩経義疏」の意味・読み・例文・類語

ゆいまぎょうぎしょユイマギャウギショ【維摩経義疏】

  1. 仏教書。三巻(または五巻)。推古天皇二一年(六一三聖徳太子の著というが、偽撰説もある。鳩摩羅什(くまらじゅう)訳の維摩経注釈書で、僧肇の注維摩経などを参照しつつ、独自の見解を述べる。三経義疏の一つ

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「維摩経義疏」の解説

維摩経義疏
ゆいまぎょうぎしょ

鳩摩羅什(くまらじゅう)訳「維摩経」の注釈書。三経義疏の一つ。3巻。聖徳太子撰。614年(推古22)成立。はじめに経題を釈し,ついで経文序説・正説・流通説にわけて注釈。東晋の僧肇「注維摩経」や道生の説に多く依拠し,ほかにも諸釈を引用するが,批判を加え自説をのべる箇所もある。606年(598とも)推古天皇に行った講経原稿をまとめたものともいわれる。「大正新修大蔵経」「大日本仏教全書」所収。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「維摩経義疏」の意味・わかりやすい解説

維摩経義疏
ゆいまきょうぎしょ

聖徳太子著。5巻。推古 20 (612) ~21年成立と伝えられる。鳩摩羅什訳『維摩詰所説経』を注釈した書。「三経義疏」の一つで日本仏教出発点として意義深い書物であるが,原本の存しないこと,解釈の仕方が他の2疏と異なるところなどから,太子真撰を疑う説もある。

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旺文社日本史事典 三訂版 「維摩経義疏」の解説

維摩経義疏
ゆいまきょうぎしょ

『維摩経』の注釈書。三経義疏の一つ。

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世界大百科事典(旧版)内の維摩経義疏の言及

【三経義疏】より

…聖徳太子の著作で,《法華義疏(ほつけぎしよ)》4巻,《維摩経義疏(ゆいまきようぎしよ)》3巻,《勝鬘経義疏(しようまんぎようぎしよ)》1巻の総称。《日本書紀》によれば,太子は606年(推古14)に《勝鬘経》と《法華経》を講じたとあり,《維摩経》のことは不明だが,この講経と義疏の製作は,密接な関係をもっていると考えられる。…

※「維摩経義疏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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