綿薬(読み)メンヤク

デジタル大辞泉 「綿薬」の意味・読み・例文・類語

めん‐やく【綿薬】

綿火薬

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化学辞典 第2版 「綿薬」の解説

綿薬
メンヤク
nitrocotton

セルロースを硫硝混酸などと反応させて得られる硝酸エステルニトロセルロースといい,このうち火薬類としての用途に供せられるものを綿薬または綿火薬という.綿薬の含有する窒素量をパーセントで表し,12% 以上を強綿薬,11~10% を弱綿薬,10% 以下を脆綿薬という.ただし,強綿薬のことを綿薬ということもある.1845年,ドイツのC.F. Schönbein(シェーンバイン)によって発見された綿薬は,火薬類として,無煙火薬原料ニトログリセリンとまぜてダイナマイトの基剤,圧搾して炸(さく)薬,電気雷管の点火薬などと幅広く用いられたが,現在では無煙火薬とダイナマイト用に限られている.しかし,弱綿薬,脆綿薬はセルロイド,ラッカー塗料,人造皮革マニキュアなどの化粧品などの原料に用いられている.綿薬は硝酸エステルであるため,加水分解により自然分解の傾向がある.その製造にあたり十分に酸分を除くため煮洗を繰り返すこと,または自然分解防止剤の添加などにより実用的に自然分解防止ができるようになった.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「綿薬」の意味・わかりやすい解説

綿薬 (めんやく)
nitrocotton

火薬に用いられるニトロセルロース別名。窒素量12.5%以上のものを強綿薬gun cotton,10~12%のものを弱綿薬collodion cottonと呼んでいる。強綿薬はアルコール1,エーテル2の混合液,それぞれの単独液,水およびニトログリセリンに不溶,アセトン,酢酸,ニトロベンゼン,酢酸アミルなどに可溶である。弱綿薬はエーテルとアルコールの混合液その他の有機溶媒に可溶で,ニトログリセリンを膠化(こうか)させる。
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百科事典マイペディア 「綿薬」の意味・わかりやすい解説

綿薬【めんやく】

主として火薬関係で用いられるニトロセルロース別称。窒素含有量12.5%以上のものを強綿薬,10〜12%程度のものを弱綿薬という。

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