酢酸アミル(読み)サクサンアミル(その他表記)amyl acetate

デジタル大辞泉 「酢酸アミル」の意味・読み・例文・類語

さくさん‐アミル【酢酸アミル】

酢酸アミルアルコールとのエステルナシに似た芳香をもつ無色液体で、香料溶剤接着剤製造などに用いる。化学式CH3COOC5H11

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精選版 日本国語大辞典 「酢酸アミル」の意味・読み・例文・類語

さくさん‐アミル【酢酸アミル】

  1. 〘 名詞 〙 ( アミルは[英語] amyl ) 酢酸とアミルアルコールのエステル。化学式 CH3COOC5H11 八種の異性体がある。無色の液体。香料、油絵具ラッカーニトロセルロースなどの溶剤のほかスフ写真フィルムセルロイド、接着剤など工業的に広く用いられる。梨油。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「酢酸アミル」の意味・わかりやすい解説

酢酸アミル
さくさんあみる
amyl acetate

酢酸とアミルアルコール(1-ペンタノール)のエステル。ナシに似た香気をもつ液体で、ナシ油ともいう。アミルアルコールに8種の異性体があるので、酢酸アミルにも同数の異性体が存在する。市販の工業用酢酸アミルは、酢酸イソアミルCH3COO(CH2)2CH(CH3)2、酢酸n-アミルCH3COO(CH2)4CH3および酢酸sec-アミルCH3COOCH(CH3)CH2C2H5の混合物で、アミルアルコールまたはフーゼル油に過剰の酢酸と少量の硫酸を加えて製造する。沸点範囲120~146℃、比重0.870~0.880。食品用香料、ニトロセルロース、ラッカーなどの溶剤、セルロイド、接着剤の製造、織物用染料の溶剤などにも用いられる。

[廣田 穰]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「酢酸アミル」の意味・わかりやすい解説

酢酸アミル
さくさんアミル
amyl acetate

酢酸エステル一種。8種の異性体のうち普通知られているものに酢酸 n- アミル (沸点 149.25℃) ,酢酸イソアミル (142℃) がある。一般に水に溶けにくく,アルコール,エーテルなどの有機溶媒によく溶ける。ナシの匂いがある。果実ジュースの味つけ,溶剤などに使われる。

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化学辞典 第2版 「酢酸アミル」の解説

酢酸アミル
サクサンアミル
amyl acetate

[同義異語]酢酸ペンチル

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の酢酸アミルの言及

【酢酸エステル】より

…沸点142℃の液体で,ナシの果実香を有する。アミルアルコールまたはフーゼル油から工業的につくられる製品は,n‐アミル-CH2CH2-CH2CH2CH3,イソアミル-CH2CH2CH(CH3)2,および活性アミル-CH2-CH(CH3)-CH2CH3の各異性体の混合物で,酢酸アミルamyl acetateと呼ばれ,溶剤,染色などに大量に用いられている。
[酢酸ビニルvinyl acetate]
 酢酸とビニルアルコールとのエステル。…

※「酢酸アミル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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