日本大百科全書(ニッポニカ) 「シェーンバイン」の意味・わかりやすい解説
シェーンバイン
しぇーんばいん
Christian Friedrich Schönbein
(1799―1868)
ドイツの化学者。シュワーベンのメッツィンゲンに生まれる。14歳から化学工場で働き、そのかたわら化学の勉強を始めた。1821年からエルランゲン、チュービンゲン大学で物理学、化学を学んだ。1828年にスイスのバーゼル大学に招かれ、1835年同大学教授となった。
1839年、水の電気分解に際して異臭を放つ気体を発見、ギリシア語のozein(かぐこと)にちなんでオゾンozoneと命名し、オゾニド(オゾン化合物)もみいだした。1845年には、すでにブラコノーHenri Braconnot(1781―1855)により発見されていた硝化綿(ニトロセルロース)が、木綿を混酸(濃硫酸と濃硝酸との混合物)で処理すると容易に合成できることをみいだした。さらに1846年コロジオン、綿火薬を発明した。彼の仕事の多くは、原子論の立場からの定量的研究であった。
[川野辺渉]