置字(読み)オキジ

デジタル大辞泉 「置字」の意味・読み・例文・類語

おき‐じ【置(き)字】

漢文を訓読するとき、原文にはあるが、慣習的に読まない文字助字の「えん」「」「」などの類。
手紙文で用いる副詞接続詞などの文字。「およそ」「そもそも」「又」「将又はたまた」の類。

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精選版 日本国語大辞典 「置字」の意味・読み・例文・類語

おき‐じ【置字】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 漢文を訓読するとき、読まない文字。焉(えん)、矣(い)、乎(こ)の類。
    1. [初出の実例]「楽胥の胥はをき字と思ぞ」(出典:史記抄(1477)一五)
  3. 手紙文で用いる、抑(そもそも)、又(また)将又(はたまた)などの副詞・接続詞。〔書札作法抄(室町前)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「置字」の意味・わかりやすい解説

置字
おきじ

漢文を日本語訓読する際,習慣として訓読しないでおくことになっている漢字をさす。助字 (助辞助詞 ) の「焉」「矣」「於」「于」や接続詞「而」など。中国語の漢文としては当然必要とされる要素であるが,日本語にそれに該当する言い方がなかったために訓として固定しなかったところから生じたものである。

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百科事典マイペディア 「置字」の意味・わかりやすい解説

置字【おきじ】

漢文を訓読するとき,原文にはあるのに読まない習慣になっている文字。漢文法でいう助字等に当たる。文末の焉,矣,兮,目的語直前にある於,于,文中接続語の而など。古くはこのほか及,与,之などを置字としたことがある。

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