デジタル大辞泉 「義訓」の意味・読み・例文・類語 ぎ‐くん【義訓】 上代文献、特に万葉集の用字法の一。漢字漢語の意義によって訓を当てるもの。「暖はる」「寒ふゆ」「未通女おとめ」などの類。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「義訓」の意味・読み・例文・類語 ぎ‐くん【義訓】 〘 名詞 〙① 正義についての教訓。義理の教訓。[初出の実例]「楠公の精忠義訓に服膺せしめんとの御聖意と深く奉感戴候」(出典:湊川神社願‐明治六年(1873)五月二二日)② 文字や文章の意味を説き明かすこと。訓詁(くんこ)。〔権徳輿‐伏蒙十六叔寄示喜慶感懐詩〕③ 漢字の訓の一種。漢字に固定した一般的な訓ではなく、その漢字または漢字連続が文脈上意味するところを訓として当てたもの。例えば、「天地」を「あめつち」、「春」を「はる」、「親」を「おや」と読むのは固定した一般的な訓であるのに対して、「玄黄」を「あめつち」、「暖」を「はる」、「父母」を「おや」と読むような場合。上代文献、特に「万葉集」に多い。[初出の実例]「正義には心でよまするとしたぞ。一白、然ば可レ謂二義訓一」(出典:土井本周易抄(1477)二)「義訓 義に就て訓たる字にもさまざまあり」(出典:万葉集古義(1844頃)総論) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例