万葉集古義(読み)マンヨウシュウコギ

デジタル大辞泉 「万葉集古義」の意味・読み・例文・類語

まんようしゅうこぎ〔マンエフシフコギ〕【万葉集古義】

江戸後期の万葉集注釈書。141冊。鹿持雅澄かもちまさずみ著。文政10年(1827)ごろ成立、天保13年(1842)ごろまで加筆。万葉集本文解釈中心に、枕詞・人名・地名歌格語法など各方面研究を集大成したもの。

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精選版 日本国語大辞典 「万葉集古義」の意味・読み・例文・類語

まんようしゅうこぎマンエフシフコギ【万葉集古義】

  1. 江戸後期の、「万葉集」の注釈書。一四一冊。鹿持雅澄著。草稿成立は文政一一年(一八二八)頃、天保一一年(一八四〇)完成後も天保末年(一八四四)頃まで改正を重ねる。「万葉集」本文の注釈を主体とする万葉集総合研究書で、それまでにない精密さをもつ。明治天皇の命により明治一三~二三年(一八八〇‐九〇)宮内省刊。

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改訂新版 世界大百科事典 「万葉集古義」の意味・わかりやすい解説

万葉集古義 (まんようしゅうこぎ)

注釈書。鹿持雅澄(かもちまさずみ)の著。1844年(弘化1)ころまでに成る。総論4冊,本文注釈95冊など計141冊。明治維新ののち宮内省版として刊行される。雅澄は近世における万葉研究家の最後に位置しており,契沖以来の万葉学の成果をほぼ集大成している。雅澄の万葉研究の目的は,上古のありかたをうかがうことであり,雅澄が《万葉集》に見いだしたものは,〈皇神道義みち)〉と〈言霊の風雅(みやび)〉である。雅澄の文学の理解力は,契沖や真淵に及ばない。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「万葉集古義」の解説

万葉集古義
まんようしゅうこぎ

「万葉集」の注釈・研究書。31帙141冊。鹿持雅澄(かもちまさずみ)著。文化初年(1805頃)に起筆,1844年(弘化元)ほぼ完成,45年松木弘蔭校閲。総論のほか,人物・品物・修辞・地名・歌格・語彙などについての各論があり,近世における最も詳細な注釈。近代に至り,はじめて刊行され流布した。高知県図書館蔵稿本の複製「万葉集古義」がある。

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旺文社日本史事典 三訂版 「万葉集古義」の解説

万葉集古義
まんようしゅうこぎ

江戸後期,鹿持雅澄 (かもちまさずみ) の『万葉集』全巻の注釈書
19世紀前半の成立。141冊。本文の注釈のほかに,さらに枕詞 (まくらことば) ・人物伝・品物・地名など広範にわたって解釈を行った。従来の諸注釈を集大成したもの。

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