聖アントニウスの誘惑(読み)セイアントニウスノユウワク(その他表記)Temptation of St. Anthony

デジタル大辞泉 「聖アントニウスの誘惑」の意味・読み・例文・類語

せいアントニウスのゆうわく〔セイ‐のイウワク〕【聖アントニウスの誘惑】

原題、〈オランダVerzoeking van de heilige Antoniusボッシュ絵画。板に油彩。三連祭壇画であり、中央パネルは縦135センチ、横119センチ、両翼は横53センチ。砂漠で隠遁生活をしている聖アントニウスが悪魔誘惑に耐える姿を描く。リスボン、国立古美術館所蔵。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「聖アントニウスの誘惑」の意味・わかりやすい解説

聖アントニウスの誘惑
せいアントニウスのゆうわく
Temptation of St. Anthony

キリスト教美術主題。ナイル河畔の砂漠で悪魔の誘惑と戦う聖アントニウスを表わす。4世紀の聖アタナシウス著の伝記に基づき,彼の生涯の神秘的事跡は多く図像化されているが,中世末よりルネサンスには奇怪な動物,美女の姿となって彼を誘惑,脅迫するさまざまの欲望の悪魔にさいなまれつつ,これらと戦う図像が多く描かれた。作例は M.グリューネワルトイーゼンハイム祭壇画』 (1515,コルマール,ウンターリンデン美術館) ,H.ボッシュ『聖アントニウスの誘惑』 (1450~1516,リスボン国立美術館) など。

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デジタル大辞泉プラス 「聖アントニウスの誘惑」の解説

聖アントニウスの誘惑

ネーデルラントの画家ヒエロニムス・ボッシュの絵画(1500-1505頃)。原題《Verzoeking van de heilige Antonius》。砂漠で修業をしている聖アントニウスが悪魔の誘惑に耐える姿を描いた作品。リスボン、国立美術館所蔵。

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世界大百科事典(旧版)内の聖アントニウスの誘惑の言及

【アントニウス】より

…15,16世紀になると,聖人はすべての疫病,とくにペストの守護聖人として深い崇敬を集め,しばしばロクス,セバスティアヌスと並んで表現された。聖人の伝説に基づく代表的な主題には〈聖アントニウスの誘惑〉がある。聖人は砂漠で苦行する間に,悪魔からさまざまな試練や誘惑を受けたといい,《黄金伝説》にも詳しく語られている。…

※「聖アントニウスの誘惑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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