職事補任(読み)しきじぶにん

改訂新版 世界大百科事典 「職事補任」の意味・わかりやすい解説

職事補任 (しきじぶにん)

古代中世の蔵人所職事に関する記録。蔵人所が設置された嵯峨天皇(在位809-823)より後奈良天皇(在位1526-57)に至る蔵人頭と五位蔵人の官位氏名補任年月日等を天皇ごとに列記。内容的にはほぼ正確であると思われるが,六位蔵人の記載を省くなどの不備もみられる。成立時期等は不詳だが,全3巻中前2巻には16世紀前半の書写の旨が記されており,16世紀から17世紀にかけての成立と推定されている。《蔵人補任》の異称もあるが,本書と別に《蔵人補任》と題する本もあり注意を要する。《群書類従所収
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「職事補任」の意味・わかりやすい解説

職事補任
しきじぶにん

3巻。成立年代不詳。嵯峨天皇後奈良天皇の間に補任された蔵人一覧。天皇歴代ごとに,蔵人頭および五位蔵人の本官位階姓名を列記し,各人の下に補任,転任などの年月日を注記している。『群書類従』所収。本書の1,2巻には大永2 (1522) 年広橋兼秀 (1506~67) 書写の奥書があり,第3巻は兼秀により書き継がれたものと推測されている。

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