(読み)シ

デジタル大辞泉 「肢」の意味・読み・例文・類語

し【肢】[漢字項目]

常用漢字] [音](呉)(漢)
手足。「肢体下肢義肢四肢前肢
本体から分かれ出たもの。「選択肢

え【肢】

身体の枝の意》手足。四肢。
来目部をして夫婦をとめ四つの―を木に張りて」〈雄略紀〉

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精選版 日本国語大辞典 「肢」の意味・読み・例文・類語

え【肢】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「身体の枝」の意。「え」は元来ヤ行のエ ) 手足。えだ。
    1. [初出の実例]「来目部をして夫婦(をとめ)の四の支(エ)を木に張りて、仮庪(さずき)の上に置かしめて、火を以て焼き死(ころ)しつ」(出典日本書紀(720)雄略二年七月(寛文版訓))

し【肢】

  1. 〘 名詞 〙 体のわかれた部分。体のえだ。手足。〔朝野僉載〕

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普及版 字通 「肢」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

(異体字)
9画

[字音]
[字訓] てあし

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(支)(し)。に分支の意があり、本体に対して四肢をいう。〔説文〕四下を正字とし、「體の四なり」という。〔淮南子、脩務訓〕に「四動かず」とその字を用いるが、他にその字を用いたものがない。許慎は〔淮南子〕の注を試みており、その字を本字と認めたのであろうが、分岐するものは跂・翅・枝など、みなに従う。只(し)声の字にその義なく、はあるいは四の譌文かとも思われる。

[訓義]
1. てあし、四肢。
2. 字は、また支に作る。

[古辞書の訓]
和名抄〕肢 衣太(えだ) 〔名義抄〕肢 エダ〔字鏡集〕肢 アシテ・テアシ・エダ

[語系]
肢()・・枝tjieは同声。翅sjieも声近く、みなの声義を承ける字である。

[熟語]
肢解肢節・肢体
[下接語]
下肢・四肢・上肢・折肢・雪肢・八肢・腰肢

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【足∥肢】より

…動物体の一部が突出して体を支え移動させる働きをする構造物は,一般に〈あし〉と呼ばれ,足・脚・肢の字が用いられるが,その区別は慣用的なものである。足と呼びうる特別な部分がなくても移動する動物は数多くあり(傘運動をするクラゲ類や蠕動(ぜんどう)運動をするミミズ類など),また足と同じような構造でも形・働きの違いから足と呼ばれないものも多い(節足動物の多くの付属肢など)。…

※「肢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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