肥満治療薬(読み)ひまんちりょうやく

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

肥満治療薬
ひまんちりょうやく

食欲を抑える、エネルギー消費を促進させる、あるいは食物中の成分の吸収を抑えるなどにより、肥満を改善しようとする治療薬。肥満を助長する食欲亢進(こうしん)作用およびエネルギー消費の阻害作用をもつ神経伝達物質の一つに、ニューロペプチドYがある。この物質のもつ作用を抑制できれば食欲を抑えられ、また代謝(エネルギー消費)を促進させて肥満を抑えることができると考え、肥満治療薬として応用する研究が進んでいる。これとは別に、食べ物の脂肪分の吸収を抑制する肥満治療薬としてオーリスタットやセチリスタットなどがある。
 肥満症の治療は、食事療法と運動療法が基本である。一定の減量効果がのぞめる食事療法から始め、運動療法は場合によっては体に負荷がかかり健康を害する結果ともなるので注意深く進める。また睡眠時無呼吸症候群などで緊急に減量が必要な場合は、ただちに低エネルギー食などにより体重減量を図る必要がある。しかし自主的に食物摂取を制限し、規則的な運動を持続するのは容易ではないため、生活指導によってこれらを推進するための行動療法などが行われる。肥満治療薬による薬物療法はこれらの治療を行っても効果がみられないときなどに選択される。さらにどの方法を駆使しても効果がみられない場合は、胃の容量を小さくする目的で外科的手術が選択されることもある。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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