肩裾(読み)カタスソ

精選版 日本国語大辞典 「肩裾」の意味・読み・例文・類語

かた‐すそ【肩裾】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 肩と裾。
    1. [初出の実例]「とる所なくてぞ明ぬかた裾もむねはしり火の恨めしのよや」(出典:宗長手記(1522‐27)下)
  3. 小袖の染め方の一種。帯で隠れるために腰の部分を白無地のままとし、肩と裾をそれぞれ州浜形に仕切って文様を施したもの。多く縫箔(ぬいはく)とする。肩裾染め。
    1. [初出の実例]「親はかたすそそろはひでも、女(むすめ)に花をかざらするは、色を本手(もとで)のしかけのてだて」(出典浮世草子・好色貝合(1687)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「肩裾」の意味・わかりやすい解説

肩裾
かたすそ

和服の中間部分を無地とし,肩と裾の部分だけに文様をつけたもの。多くは雲形,雷光形に仕切ってその中に文様を置く。室町末期に始り,能衣装小袖などに応用された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android