胎児循環(読み)たいじじゅんかん

百科事典マイペディアの解説

胎児循環【たいじじゅんかん】

胎児における血液の流れ方。肺の代りを胎盤が果たす胎盤循環が主体。胎児の下腹部で大動脈から出た左右の(さい)動脈は,胎盤で母体の血液とガス交換および栄養分・老廃物交換を行った後,1本の臍静脈として胎児体内に戻る。その後肝臓を通じ,あるいは静脈管を通って下大静脈から右心房に入る。この血液と上大静脈から右心房に入った血液の大部分は,心房中隔にあいている卵円孔を通じて直接左心房に移り,左心室から大動脈に出る。一部の右心房から右心室に入った血液は,肺動脈に出るが,肺がまだ活動していないので,その主体は動脈管を通じて大動脈に流入する。 出生によって肺呼吸が始まると,肺循環が開け,それに伴う血圧の変化から血流が変わり,卵円孔は閉じ,臍動脈,臍静脈,静脈管,動脈管も閉塞(へいそく)して,成人にみる循環となる。
→関連項目動脈管開存

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉の解説

たいじ‐じゅんかん〔‐ジユンクワン〕【胎児循環】

胎児期の特殊な血液循環の総称。胎児の発育段階に応じて卵黄循環・絨毛膜循環・胎盤循環があり、このうち特に胎盤循環をいう。胎児は、臍帯(さいたい)静脈を通じて胎盤から酸素と栄養を受け取り、体内で生じた二酸化炭素や老廃物は、臍帯動脈を通じて胎盤に運ばれ、母体の血液との間で酸素と二酸化炭素、栄養と老廃物の交換が行われる。胎児血行

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語をあわせて調べる