脱窒菌(読み)ダッチツキン

日本大百科全書(ニッポニカ) 「脱窒菌」の意味・わかりやすい解説

脱窒菌
だっちつきん

硝酸HNO3または亜硝酸HNO2窒素ガスに変えて空中に放出する作用をもつ細菌で、脱窒素細菌ともいう。自然界での窒素の循環上重要な細菌である。代表的なものとしてはシュードモナス・デニトリフィカンスPseudomonas denitrificansやパラコックス・デニトリフィカンスParacoccus denitrificansがある。放出される窒素ガスはすべて無機態の硝酸と亜硝酸からのもので、NO3-→NO2-→NO→N2O→N2の順に還元され、N2のほかにNOやN2Oが副次的に形成される。

 このように、脱窒菌は植物に不可欠な養分を土壌から奪うため、理論的には農業生産力を低下させることになるが、窒素循環の無限性が保たれることを考えると、有害と速断するのは誤りである。

[曽根田正己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む