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腸腺 ちょうせんintestinal gland

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

腸腺
ちょうせん
intestinal gland

粘膜にある2種類の分泌腺。1つは十二指腸の近位部にある胃の幽門腺に似た十二指腸腺 (ブルンナー腺) で,アルカリ性の液を分泌して,胃酸による潰瘍形成から十二指腸粘膜を守る働きをする。他の1つは,小腸の全長にわたって存在するリーベルキューン腺と呼ばれる腺で,これは管状腺を形成しており,小腸の絨毛の根もとに開いている。これを腸陰窩または腸腺といって,ここからの分泌液が固有の腸液といえる。管腔を取巻く細胞列の間には,クロム親和細胞とパネート細胞があり,前者はセロトニンを分泌し,後者は酵素を分泌すると考えられている。

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栄養・生化学辞典の解説

腸腺

 リーベルキューン腺ともいう.腸液を分泌する腺.

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大辞林 第三版の解説

ちょうせん【腸腺】

小腸の粘膜にある微小管状の腺。消化酵素を含む腸液を分泌。リーベルキューン氏腺。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

腸腺
ちょうせん

腸の粘膜上皮細胞層に配列する分泌細胞群をいう。小腸の場合は粘膜に絨毛(じゅうもう)があり、その根部から粘膜固有層に管状の落ち込みができる(これを陰窩(いんか)とよぶ)。ここに消化液の分泌細胞群があり、腸腺(陰窩腺)、あるいはリーベルキューン腺〔ドイツの解剖学者J. N. Lieberkhn(1711―56)にちなむ〕とよぶ単管状腺を形成している。腸液を分泌するのは陰窩の上半部の細胞からとみられているが、ほかに、陰窩の底部に固まっている数個の細胞群もかかわっている。これはパネート細胞〔ドイツの解剖学者J. Paneth(1857―90)にちなむ〕とよばれ、比較的大型の顆粒(かりゅう)を含んでいるのが特徴である。この顆粒の本態は不明であるが、ペプチダーゼやリゾチームといったタンパク質と多糖類を含んでいる。このパネート細胞は小腸のみに存在する。このほか、十二指腸の腸腺の底部には十二指腸腺(ブルンネル腺)とよぶ粘液腺が開口している。腸液には腸リパーゼ、マルターゼ、ペプチダーゼなどが含まれている。なお、大腸は絨毛を形成しないが、大腸の腸腺、つまり管状の陰窩は、小腸の場合よりも長く、また、小腸よりはるかに多くの粘液細胞(杯(さかずき)細胞)をもっている。このことから、大腸においては粘液分泌が盛んなことがわかる。[嶋井和世]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の腸腺の言及

【十二指腸】より

…絨毛の基部は粘膜固有層内に陥入し,粘膜筋板近くに達している。この部分を腸陰窩(か)または腸腺,リーベルキューン腺Lieberkühn’s glandという。ここにはパネート細胞Paneth’s cellがみられ,そのほか粘液を分泌する杯(さかずき)細胞(杯細胞は腸陰窩以外の粘膜上皮層にも点在する)や,セクレチン,コレシストキニン(CCK),モチリン,ガストリンなどの消化管ホルモンを分泌する種々の内分泌細胞がある。…

【小腸】より

…四肢動物では小腸は著しく長くなり迂曲(うきよく)して,十二指腸,空腸,回腸に区分される。十二指腸腺をもつ真の十二指腸は哺乳類に限られ,空腸と回腸の境界が明りょうではない種類も多い。また小腸粘膜のひだや絨毛(じゆうもう)(鳥類と哺乳類)も表面積を広げ,吸収能力を高めている。…

※「腸腺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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