山川 世界史小辞典 改訂新版 「自主管理社会主義」の解説
自主管理社会主義(じしゅかんりしゃかいしゅぎ)
Self-management Socialism
ユーゴ型社会主義ともいう。1948年の旧ユーゴスラヴィアのコミンフォルム追放を契機として,50年に導入された分権的な社会主義の形態。60年代に入り,市場メカニズムを大幅に導入した経済改革に伴い,政治的な自由化,民主化が進められ,自主管理が制度として定着。74年の憲法により政治,経済,社会のすべての局面で,より直接民主主義的な自主管理社会主義の徹底がめざされ,76年には「連合労働法」が制定された。しかし,煩雑な自主管理制度の運用は容易ではなく,80年代初めからの「経済危機」と共和国対立や民族対立のなかで,87年から自主管理制度の根本的な変更が加えられた。90年の共産主義者同盟による一党制の崩壊とともに,「壮大な実験」は幕を閉じた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報