舟木遺跡(読み)ふなぎいせき

日本歴史地名大系 「舟木遺跡」の解説

舟木遺跡
ふなぎいせき

[現在地名]北淡町舟木

海岸線から約二キロ内陸に入った、標高約一五〇メートルの丘陵上にある。丘陵はなだらかに連なる尾根に囲まれた、盆地状の地点を中心に広がっている。弥生時代後期を中心とした集落跡で、平成二―五年度まで九次の発掘調査が実施されている。

平成二年(一九九〇)に実施された第一次の確認調査では竪穴住居跡一棟が発見され、住居跡内から五六個体の製塩土器出土した。同三年に行われた第二次調査では、遺跡の東部地域の丘陵裾部の地点、一七一〇平方メートルが発掘された。このうちB地区では弥生後期の竪穴住居跡二棟、大溝が発見された。H―02住居跡は幅二〇メートルほどの狭い尾根の先端に造られた、径一〇メートルを超える大型の住居である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

知恵蔵mini 「舟木遺跡」の解説

舟木遺跡

兵庫県淡路島にある弥生時代の遺跡。1世紀前半から3世紀前半の弥生時代後期から終末期の集落跡で淡路市教育委員会が2016年から発掘調査を行っているが、調査の結果、竪穴建物20棟の跡や近畿地方では初めての出土となる鉄製漁具「ヤス」などのほか、2世紀ごろに中国で作られた青銅製の鏡の一部や淡路島で3例目の「絵画土器」の破片などが見つかった。これを受け、文化庁の文化審議会は20年11月に答申を行い、同遺跡は国の史跡に指定されることになった。同審議会は同遺跡について、山あいに位置しながら最先端の技術や情報を入手するため沿海の住人たちとの深いつながりがあり、九州と畿内を結ぶ窓口の役割を担ってきた可能性が高く貴重だとしている。

(2020-11-25)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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