艦隊これくしょん(読み)かんたいこれくしょん

知恵蔵 「艦隊これくしょん」の解説

艦隊これくしょん

2013年4月にサービスが開始されたブラウザーゲーム。株式会社角川ゲームスが開発し、株式会社DMM.comが配信している。第2次世界大戦中で使用された大日本帝国海軍の軍艦を萌えキャラクターに擬人化した「艦娘(かんむす)」を集めて艦隊編成し、育成、強化しながら、無敵の連合艦隊を目指す育成シミュレーションゲームである。艦娘だけでなく、プレーヤーが初回起動時にいずれかを選択して接続するサーバーにも、実在した鎮守府の名称が使われるなど、ゲームの随所史実に基づいた名称が盛り込まれている。略称は「艦これ」で、18歳未満のプレーはできない。
艦娘は航空母艦戦艦巡洋艦駆逐艦などの実在の軍艦を擬人化しており、それぞれ耐久力が違う。「小破」するとアイコンから黒煙が噴き出し、「中破」すると服が破けるなどグラフィックが変化して、「轟沈」に至ると消滅してしまう。艦娘の声優は多くて1人10役以上をこなす。ゲーム内では声優の氏名は公開されていないが、登場した艦娘の配役はオフィシャルブック『艦これ白書』(角川マガジンズ刊)に紹介されている。
プレーヤーは「提督」として様々な命令を下し、出撃・編成・補給・改造・入渠(にゅうきょ)・工廠(こうしょう)の各過程で、艦娘をコントロールしながら、敵と戦い、勝利を目指す。命令の例として、「改造」はステータスの限界値を上げることであり、「入渠」は入浴や休息などのことである。基本プレー料金無料のアイテム課金制となっているが、課金が必要な要素は極力抑えられている。
艦娘が戦う敵は「深海棲艦(しんかいせいかん)」と呼ばれ、軍艦や輸送艦などで構成される謎の怪物の群れである。深海棲艦は世界各国の海域に出現し、艦隊は航路に沿って航行する。なぜ深海棲艦と戦うのかなども含め、艦これの世界観はほとんど明らかにされていない。
マンガ化や小説化もされており、グッズやフィギュアも人気を集めている。制作会社「ディオメディア」により、2014年夏をめどにアニメ化の企画も進んでいる。
サービス開始当初はユーザー数(登録者数)を10万人、DAU(1日に1回以上ゲームを使用する人)を2万人と想定していたが、登録者数が激増したため13年6月にいったん、新規登録を停止せざるを得なくなった。7月に再開した後も増加し、同年11月までにユーザーは120万人を突破。その後も一時的に新規登録を制限するなどして対応している。

(若林朋子  ライター / 2014年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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