色めく(読み)いろめく

精選版 日本国語大辞典 「色めく」の意味・読み・例文・類語

いろ‐め・く【色めく】

〘自カ五(四)〙 (「めく」は接尾語)
色好みに見える。なまめかしくふるまう。
蜻蛉(974頃)中「近江ぞ〈略〉いろめく物なめれば」
② 物が美しい色になる。色美しく輝く。はなやかな色を見せる。
源氏(1001‐14頃)竹河「折りて見ばいとど匂ひもまさるやと少し色めけ梅のはつ花」
③ 人や物事がはなやかな様子を見せる。調子づく。活気づく。
風姿花伝(1400‐02頃)七「一切の勝負に定めて一方いろめきてよき時分になる事あり」
戦いに敗れる様子が見え始める。動揺し始める。
太平記(14C後)八「色めきたる気色に見えける間」
緊張興奮した雰囲気になる。
御伽草子・しくれ(古典文庫所収)(室町末)「ざっしき、うしかい、みずいしん、我も我もといろめきて、御ともにまいりければ」

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デジタル大辞泉 「色めく」の意味・読み・例文・類語

いろ‐め・く【色めく】

[動カ五(四)]
その時節が来て色が美しくなる。華やかになる。「春になって公園の木々が―・く」
色っぽく見える。「ほんのりとほおを染めて―・いた風情
緊張や興奮のために落ち着かない状態になる。活気づく。騒然となる。動揺する。「犯人逮捕の知らせに報道陣が―・いた」
戦いに敗れるようすが見え始める。
「すはや敵は―・きたるは、と胡籙えびらを叩き、勝時を作って」〈太平記・八〉
[類語](2つやめくなまめく/(3色めき立つ勢い付く活気付く元気付く景気付け

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