デジタル大辞泉 「艶めく」の意味・読み・例文・類語 つや‐め・く【艶めく】 [動カ五(四)]1 色つやがある。つやつやして見える。「―・く若葉」2 色っぽく見える。あだっぽく感じる。「―・いた話」[類語](1)艶艶・艶やか・つるつる・てらてら・てかてか・艶つや・艶々しい・色艶/(2)色めく・なまめく なま‐め・く【▽艶めく】 [動カ五(四)]《「なま」は未熟の意》1 異性の心を誘うような色っぽさが感じられる。また、あだっぽいふるまいをする。「―・いたしぐさ」「このくるまを女車とみて、寄り来てとかく―・くあひだに」〈伊勢・三九〉2 若々しく美しく見える。清新である。「その里に、いと―・いたる女はらから住みけり」〈伊勢・一〉3 しっとりとして、品がある。優美である。「高麗こまの紙の…色などは華やかならで―・きたるに」〈源・梅枝〉4 物や情景などが、美しく趣がある。風流である。「秋の野のいと―・きたるなど見給ひて」〈源・賢木〉[類語]色めく・つやめく 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「艶めく」の意味・読み・例文・類語 なま‐め・く【生めく・艷めく】 〘 自動詞 カ行五(四) 〙 ( 「めく」は接尾語 ) 不十分なように、あるいは未熟なようにふるまう。また、何でもないように、さりげなくふるまい、それがかえって、奥ゆかしく、優美に見える意。① 人の容姿や挙動、あるいは心ばえが、奥ゆかしく、上品で、優美である。また、そのようにふるまう。[初出の実例]「その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり」(出典:伊勢物語(10C前)一)「薄物の裳あざやかに引き結(ゆ)ひたる腰つき、たをやかになまめきたり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)② 物や情景などが優美で情趣がある。[初出の実例]「秋の野になまめき立てるをみなへしあなかしがまし花もひと時〈遍昭〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇一六)「高麗(こま)の紙の、〈略〉色など花やかならでなまめきたるに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)梅枝)③ 異性の心を誘うような様子を見せる。色っぽい様子をしている。あだっぽいふるまいをする。また、男女間の交際にかかわることをいう。[初出の実例]「この車を女車と見て、寄り来てとかくなまめく間に」(出典:伊勢物語(10C前)三九)「茲(ここ)にちと艷(ナマメ)いた一条のお噺(はなし)があるが」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)艶めくの語誌「生」と「めく」を基調とした、未熟性・清新性・さりげなさの中に気品が感じられ優美に見えるというのが基本義。平安後期以降、官能的であることを表わす用法が見えはじめ、中世以降は、ほぼ③の意味が主流となる。 つや‐め・く【艷めく】 〘 自動詞 カ行四段活用 〙 ( 「めく」は接尾語 )① つやがあるように見える。つややかに見える。美しく光るように見える。[初出の実例]「女君をうち見おこせたれば、いといたう泣きつやめきたるを見て」(出典:落窪物語(10C後)一)② 色っぽく見える。色気が現われている。あだめく。[初出の実例]「間もなく蓄音機が艷めいた流行唄をうたひはじめた」(出典:露芝(1921)〈久保田万太郎〉四) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by