色濃い(読み)イロコイ

デジタル大辞泉 「色濃い」の意味・読み・例文・類語

いろ・い

ある傾向が強く現れている。「不況影響が―・い地場産業」「焦る気持ちが―・く出ている」
衣服の色が濃い。特に、紫や紅の場合にいう。
「―・ききぬに白きあこめ着たらむやうに見えて」〈更級
しつこい。どぎつい。
片田舎の人こそ、―・くよろづはもて興ずれ」〈徒然・一三七〉
[類語]濃い深いこまやか濃密濃厚濃度

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「色濃い」の意味・読み・例文・類語

いろ【色】 濃(こ)

  1. 色が濃い。衣服の紫や紅などの色が濃い意にいうことが多い。
    1. [初出の実例]「紫の色こき時はめもはるに野なる草木ぞわかれざりける」(出典:伊勢物語(10C前)四一)
  2. あくどい。しつこい。濃厚だ。
    1. [初出の実例]「片田舎の人こそ、色こく万(よろづ)はもて興ずれ」(出典徒然草(1331頃)一三七)
  3. 恋愛の経験が豊かである。
    1. [初出の実例]「岩つつじのいろこきわが身にもあらねば、もし人たがへもやと、御文手にも取りあへねば」(出典:仮名草子・ねごと草(1662)下)
  4. 情勢がある方向に強く傾いている。ある傾向が強い。
    1. [初出の実例]「新しい時代の空気が、紅葉の死を一区画として、愈色濃く文壇へ流れこんで来たことは事実だ」(出典:近代文学と生活の問題(1934)〈唐木順三〉一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android