色身(読み)しきしん

精選版 日本国語大辞典 「色身」の意味・読み・例文・類語

しき‐しん【色身】

〘名〙 仏語
三十二相などをそなえる生身の仏をいう。法身に対して仏の肉身をさしたが、報身をもあわせていう。〔法華義疏(7C前)〕 〔倶舎論‐二七〕
② 物質的な形をもった身。肉身。
※天草本伊曾保(1593)尾長鳥と、孔雀の事「ニンミンヲ ツカサドル モノワ xiqixinno(シキシンノ) ビレイナ バカリデワ スマヌ」
破吉利支丹(1662)「色身は壊滅すれども、神我は滅せず」

いろ‐み【色身】

〘名〙
① 色っぽい身ぶり。粋な身のこなし。
洒落本・禁現大福帳(1755)三「惣て色身(イロミ)を遠ざけ」
情人という立場色男としての身分
※歌舞伎・助六廓夜桜(1779)「モシモシ、門兵衛さん、揚巻さんに色身(イロミ)で逢はうとは、よい思ひつきの悪い思案の」

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デジタル大辞泉 「色身」の意味・読み・例文・類語

しき‐しん【色身】

仏語。
物質的なものからできている、からだ。肉体
三十二相をそなえた仏の生身。→法身ほっしん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の色身の言及

【仏教】より

…しかしその場合でも,法(真理)の絶対性は失われず,仏は真理の体現者(如来,すなわち如=真理に来至し,また如より来至する者)とされている。仏の本質は法そのもので(法身),諸仏はその具体的顕現である(色身)。一方,修行の目標としての悟りを,絶対者たる法との合一に求めるのは,バラモン正統派のベーダーンタ学派が主張する〈梵我一如〉とも共通する神秘主義であるが,ことにこれは後期に発達した密教において著しい。…

※「色身」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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